ボンコック湖

今は無き湖。
20年前、週末息抜きに行っていたレイクサイド、
ボンコック湖が、2012年商業開発を目的として埋め立てられてしまっていたそうです。
プノンペンにいるときにまた行ってみたたい、場所を忘れたと思って調べていたら地図になく。
カンボジアが第二の故郷といいながらも10年も経って先日この事を知り衝撃を受けました。
今でこそプノンペンやシェムリアップなどには観光客がワクワクするようなおしゃれカフェが溢れているけれど、20年前の当時はこのボンコック湖があるレイクサイドか川沿いのリバーサイドに人は集まっていました。
ゲストハウスやおしゃれなカフェ、ちょっと怪しそうなお店、それはもう当時はにぎわっていて。
わたしたちみたいに海外から来た人も多く集まって、その横には湖の上に家を建てて生活する現地の人たちもたくさんいました。
わたしともう一人一緒に過ごしていた日本人の友人はこのレイクサイド派で(別にどっち派と分かれていたわけじゃないけど)週末は大体訪れていた場所です。
湖につきでたカフェにハンモックがついていて、それに揺られながら本を読んだり、
メールを書いたり。
当時悩んだことをそこでよく考え込んでいたのもよく覚えていて、まさかそこがもうないとは。
そしてこれはこの湖に、さらにはカンボジアに限ったことではありませんが、埋め立てや土地買収に際して苦しみ、悲しむのはそこに住んでいる人たち。
もちろん納得していた人もいるでしょう。そうでない人も。
国を発展させたい国と、
事業拡大を狙う企業、
そしてそこでリアルに生活している住民たち。
どちらが正しくて間違っているかは一概に言えないしそこまでの経緯を語れるほどこの問題を私自身解けていません。
先進国のような発展を望まなくてもそこで幸せに生活している人もいるし、
そうでなく、苦しんでいる人もいる。
でも今まで当たり前に生活していた家や場所が、納得できずこうやって取り壊されていくのは
想像を絶します。
そしてこれは想像でしかありませんが、日本のように居住権などきちんとした決まりのないこの国では弱者が失うものが多すぎる気がします。
実際ボンコック湖に住んでいた約100世帯が強制退去を命じられ、立ち退きを決行されたそうです。
あののどかな風景の中で生活していた人たちは今どこでどうしているのだろう。
少しでも生活はよくなったのかどうか。
今回こっちにきて、ここ10年でのカンボジアの急成長に驚いています。
20年前と違う、というよりは10年前と違うことに。
それだけこの10年の変化が大きかったのだと。
目に見えて物乞いの人が減りました。
外資系大型ショッピングモールで安くはない食事をする人もたくさん見ます。
バイクが減り車社会に。
生きていくための食事から健康志向の食事を取り入れられるように。
街中のゴミも減った。
じゃあこの10年、たった10年で本当にお金に困る人は減ったのか、
都市でない村に住む人たちの生活は変わったのか、
ゴミ山で生活する人はいなくなったのか。
そうじゃないのも事実なんですよね。
目隠しして見えなくしたり、見ないふりをしていることも多いような気がします。
変化が大きいカンボジア。
なのに安心できるここの人たちのあったかさ。
(8歳の息子が感じ取ることができるくらい)
すれ違う人には微笑む習慣。
時間のルーズさ(笑)
20年前と同じようにまだまだここには学ぶことが溢れています。
ボンコック湖問題を取り上げたフランスの映画

『Even a Bird Needs a Nest』

予告編はこちら

わたしがここで語れるような簡単な問題ではないけれど衝撃が大きすぎて書いてしまいました。

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